映画『国宝』と藤娘の絆|大津絵のルーツからロケ地「琵琶湖大津館」の魅力まで徹底解説

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吉田修一氏の渾身の小説を、李相日監督が実写化した映画『国宝』。吉沢亮さんと横浜流星さんという、現代を代表する若手実力派俳優が「歌舞伎」という深遠なる世界に挑む姿は、公開前から大きな話題を呼んでいます。

本作の重要なキーワードとなるのが、歌舞伎の演目「藤娘(ふじむすめ)」です。なぜこの演目が選ばれたのか、そして舞台となった滋賀県大津市との深い繋がりとは?

本記事では、映画ファンならずとも知っておきたい「藤娘」の歴史と、ロケ地となった「琵琶湖大津館」の魅力について詳しく解説します。

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映画『国宝』が描く、魂を削る芸の道

映画『国宝』は、任侠の一家に生まれながらも歌舞伎の世界に身を投じる喜久雄(吉沢亮)と、名門の御曹司として生まれた俊介(横浜流星)という、対照的な二人の男の数奇な運命を描いた物語です。

劇中、観客の目を最も惹きつけるシーンの一つが、喜久雄が舞う「藤娘」でしょう。

「藤娘」とはどのような演目か

歌舞伎の「藤娘」は、大津絵から抜け出した娘が、藤の花の精として恋心を舞うという幻想的な演目です。

  • 見どころ: 鮮やかな黒塗りの笠、美しい藤の枝を担いだ姿、そして次々と変わる華やかな衣装。
  • 難しさ: 単なる踊りではなく、女性の恋心や移ろいゆく情念を、指先一つ、視線一つで表現しなければなりません。

映画では、この「藤娘」を演じることが、喜久雄にとっての「芸の極致」への第一歩として描かれます。

「藤娘」のルーツ、滋賀の至宝「大津絵」との関係

「藤娘」という演目を語る上で欠かせないのが、滋賀県大津市に伝わる民俗画「大津絵(おおつえ)」です。

大津絵から生まれた「藤娘」

江戸時代、東海道を旅する人々の土産物として人気を博した大津絵。その中に「藤を担ぐ娘」の図像がありました。この絵が評判を呼び、後に歌舞伎の演目として取り入れられたのが「藤娘」の始まりです。

大津絵 藤娘

大津絵「藤娘」に込められた意味

もともと大津絵の藤娘には、「良縁祈願」や「愛嬌」という意味が込められていました。

  • 衣装の文様: 大津絵の藤娘は、藤の花を肩に担ぎ、塗り笠を被っています。
  • 変化: 時代とともに、ただの「お土産物の絵」から、歌舞伎という洗練された芸術へと昇華されていきました。

映画『国宝』においても、この「民衆の泥臭さ」と「芸術の気高さ」の両面を持つルーツが、喜久雄というキャラクターの背景と重なり合っています。

ロケ地・琵琶湖大津館:歴史が息づく「湖国の迎賓館」

映画『国宝』のロケ地として、ひときわ重厚な存在感を放っているのが「琵琶湖大津館(旧琵琶湖ホテル)」です。

琵琶湖大津館の歴史と建築美

1934年(昭和9年)に「琵琶湖ホテル」として建設されたこの建物は、桃山様式と呼ばれる和洋折衷の美しい外観が特徴です。

項目内容
正式名称琵琶湖大津館(旧琵琶湖ホテル本館)
建築様式帝冠様式(和風屋根を持つ洋風建築)
設計者岡田信一郎
重要性大津市指定有形文化財

なぜ『国宝』のロケ地に選ばれたのか

映画『国宝』は、昭和という激動の時代を背景にしています。琵琶湖大津館が持つ「本物の重厚感」は、歌舞伎界の伝統と格式を表現するのに最適な場所でした。

  • 格式高い内装: 映画の中では、名門の家柄や華やかな宴席のシーンなどで、このクラシックな空間が物語に説得力を与えています。
  • 琵琶湖の借景: 窓から見える雄大な琵琶湖は、登場人物たちの心の移ろいを映し出す鏡のような役割を果たしています。

聖地巡礼ガイド:琵琶湖大津館を120%楽しむ方法

映画を観た後に琵琶湖大津館を訪れるなら、以下のポイントをチェックしてみてください。

① イングリッシュガーデンで季節を感じる

館内に隣接するイングリッシュガーデンでは、四季折々の花が咲き誇ります。特に「藤娘」にちなんで、春の藤の季節に訪れるのは格別です。

② 展望テラスからの絶景

3階の展望テラスからは、琵琶湖を一望できます。喜久雄や俊介が、どのような想いでこの湖を眺めたのか……そんな想像に耽るのも聖地巡礼の醍醐味です。

③ クラシックレストランでランチ

かつてのメインダイニングを利用したレストランでは、当時の趣を残したまま食事が楽しめます。昭和の歌舞伎役者たちが堪能したかもしれない、優雅な時間に浸ってみてはいかがでしょうか。

まとめ:『国宝』が繋ぐ、過去・現在・未来

映画『国宝』は、単なる歌舞伎映画ではありません。

一人の男が「芸の道」という、目に見えない頂を目指す壮絶な人間ドラマです。

その象徴である「藤娘」が、滋賀・大津の土着の芸術である「大津絵」から生まれ、そして現代、琵琶湖大津館という歴史的遺産の中で撮影されたという事実は、日本の文化が脈々と受け継がれていることを象徴しています。

映画を観た後は、ぜひ滋賀県大津市へ。

「藤娘」の面影を探し、琵琶湖の風に吹かれながら、その深い物語の世界観を肌で感じてみてください。

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